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悪魔(The Devil)

目次

欲望や恐怖心の大きさが招く破滅への道

このカードには、ふたりの男女の間に悪魔が立っていて邪悪さを感じます。このカードは正位置と逆位置で読み方が難しくもあります。正位置は悪状況に達している、もしくはそうならないようにという警告を促す場合もあります。逆位置は悪化する見方と改善に向かう見方の両面があります。※逆位置の方がポジティブな意味合いが多い

キーワード

正位置 – Upright –
欲望/束縛/誘惑/物質欲/悪意/嫉妬/病気/犯罪/中毒/執着/SEX/暴力/ネガティブ/刺激的なこと/悪事/欺瞞/影/苦悩/執着/堕落/警告/マイナス思考/負の感情/悲観/恐怖心/敵/罠/不誠実/好色さ/妄想/抑圧/無知/邪悪/現実逃避/エゴイズム/奴隷/依存/従属/奇妙な経験/離婚/
逆位置 – Reversed –
解放/離縁/リハビリ/出所/回復/努力/悪化/中毒/トラウマ/引きずる/腐れ縁/警告/トラブルから解放/悪への気づき/一区切り/しがらみから解放/長い道のり
英単語
Fear. Victory of materialism. Obsession. Occult powers. Slavery. Dependence. Perversion. Subordination. Ravage. Bondage. Passion. Egoism. Egotism. Malevolence. Subservience. Weird experience. Bad outside influence or advice. Black magic. Unexpected failure. Violence. Self-punishment. Temptation to evil. Overcoming one’s fears. Perception of the inner demon. Throwing off shackles. Divorce. Recognition of one’s needs by another person. Overcoming severe handicaps. The beginning of spiritual understanding.
人物像
思い込みが激しくとりつかれたようにハマる人。

ケース別キーワード

case正位置逆位置
恋愛肉体的な欲求でつながっている/誘惑する/浮気心を持つ/執着心が増して束縛する/相手に束縛されて苦しい/悪縁でつながっている関係/不倫恋愛/人の不幸の上に成り立つ恋愛/倫理観から外れる恋/禁断の愛/誘惑に乗ってしまう つらい失恋から立ち直ろうとする/憎しみながらも別れられない/強引に性的な関係を持つ/ストーカーになる/泥沼の関係から抜け出せない/腐れ縁を断ち切るために頑張る/冷静になって気持ちを整理/気持ちが吹っ切れるきっかけの到来
仕事欲望や劣等感が伴う仕事/仕事のしすぎで体を壊す/非合法なやり方で利益を得る/闇金業者/風俗/出世欲にかられて人をおとしめる/セクハラの被害を受ける/過去の栄光を忘れられない/凄まじい努力を必要とする/打算による不誠実な対応 汚職や不正が暴かれる/組織の腐敗が明るみになる/体調不良で仕事ができない/借金で支払いができなくなる/スランプからの脱却/一筋の光が見えてくる/正攻法の落とし穴に気づく/キレイ事ばかりで済まない事態/負担が減りそう
その他快楽に溺れる/強すぎる欲望/誘惑に駆られる/誘惑に負ける/嫉妬する/倫理を外れる/自らに課した制限/極端に走る/秘密の陰謀/逃げ場がない/未知のものへの恐怖/自由奔放/不健全な執着/予期しない障害/悪への誘惑/楽な方に流される/正しい判断ができない/辛いことから目をそらす/ 不運が消えていく/真面目になる/興味が失せる/内なる悪魔に立ち向かう/望みの人生を送る/縛り付けていたものをゆるめる/厳しい倫理観から解放される/誘惑に立ち向かう/精神的視点を持つ/精神的な理解の始まり/自分に原因があることに気づく/しがらみや腐れ縁から脱却/連続して起こる不運/執着やこだわりがなくなる

正位置での意味

悪魔の正位置は、現実から逃げて自堕落な日常を過ごしていたり、誘惑に負けてしまい状況が悪化してしまうことを警告しています。誘惑に負けることなく欲をコントロールできるかが大事な時だとカードは伝えています。また、自分のダメな部分を受け入れず目をそむけることで悪い方に向かう可能性も示唆します。今こそ、自分の弱さに向き合って悪縁も断ち切る勇気を持ちましょう。

もしあなたがやるべきことを後回しにして娯楽や快楽に流されているのなら、悪しき習慣を断ち切るために立ち上がるべきです。そうしないと、悪い縁や悪い環境をどんどん自分に引き寄せてしまいます。そうなると、今までの経験で築き上げてきた人格レベルが崩壊し、魂レベルも下がる一方です。このカードは、嫌なことや弱い自分から目を背けずに、内なる悪戦う覚悟が必要だと説いています。

また、自分にとって最善だとわかっている方を選択できず、自分の欲望の奴隷となってしまうことを表しています。道徳的なことからそれて、自分の欲を満たす刺激的なことばかりを追い求めてませんか?その行為はあなたを破滅の道へいざなうかもしれません。特に、肉体的快楽の制御が必要となる場合にこのカードが出ます。例えば、好きになってはいけない人を好きになってしまったり、一時的な欲望に逆らえず誰かを傷つけるような行動をとってしまったりするかもしれません。最悪の結果を招かないように、自分の欲望をコントロールしましょう。

一方、自分の欲望をコントロールする自信がないために、必要以上に自分を抑圧してしまい身動きが取れなくて苦しむことも暗示します。

リーディング例

愛に関して占った場合
悪魔の正位置は、虐待、強迫、DVなど、あなたとパートナーの行いが関係性に悪影響を及ぼしていないかを警告しています。あるいは、予想外の事態が発生してふたりの関係がギクシャクしたり、どちらかの浮気や不倫が発覚することを表すこともあります。他にも、愛情が薄れていることに気づきながら別れられないことを示唆することもあります。また、自責の束縛があなたの前進を妨げていることを表すこともあります。自分の欲望が爆発しそうで怖いがために、極端な禁欲を自分に課している場合、少しずつ開放してあげる勇気を持ちましょう。
勉強や仕事に関して占った場合
悪魔の正位置は、あなたが仕事人間になってしまい、プライベートなことを無視していることを示している可能性があります。仕事中毒、あるいは出世したい欲が強すぎるあまり「仕事に魂を売ってしまった人」になっていませんか?あるいは、思い込みの激しさが原因で、職場の人間関係を歪ませている可能性もあります。今一度、仕事をする上で不正な行為に手を染めていないか、疑わしい慣行に従事していないか、自分の胸に手を当てて心当たりが無いか問いかける必要があありそうです。また、過去の功績や実績に囚われて、新しいことへの挑戦ができない状況を示すこともあります。悪い状況を好転させるためには、大変な努力が必要になりそうだ、とこのカードは伝えています。
お金に関することで占った場合
悪魔の正位置は、あなたがお金や物質的なものに執着し過ぎていないかを警告しています。このカードは、財政的安全、社会的地位、また物質的な成功に対して執着しすぎていないか問いかけています。過剰な執着や欲望を手放す勇気を持つことが大事な時です。もしくは、個人的な利益のために他の人を利用していたり、利益を得るために「悪魔に魂を売る」ようなことをしていないかを警告しています。他にも、思いがけない借金を背負うことや、少ない報酬、ギャンプルにハマってしまうことを示唆します。誰かの保証人にならないように注意しましょう。

逆位置での意味

悪魔の逆位置は、正位置よりもいい意味になることが多いです。逆位置の場合、自分にとって害となるものを断ち切れる(悪い誘惑や腐れ縁を断ち切れる)ことや、最悪の状況が徐々に回復していくことを示します。逆に、状況が更に悪化して収集がつかなくなるという意味もあります。悪魔の逆位置は、時として両極端な解釈をされることがあり、リーディングが難しくもあります。このカードと一緒に出た他のカードとの組み合わせを考慮して解釈する必要があります。

悪魔の逆位置は、最悪の事態が起こり、その事態をきちんと受け止めることで「このままではいけない」と思い直すことができ、事態が収束に向かうことを表します。自分の悪しき習慣が当たり前になってしまって、最悪の事態を認識できない人にとっては、状況はどこまでも悪化してしまいます。改心する気持ちをどれだけ強く持てるかが鍵になります。

また、悪い状況を招いたのは自分の中にある欲望に抗えなかった結果である場合が多いので、他人に助けを求めるよりも、自分の力で自分の内面と戦うことが正しい解決方法です。その過程で、もし行き詰まってしまっても、暴言や暴力に走ってはいけません。事態は改善されるどころか、周囲からの信頼も失ってしまいます。モラルや倫理観にそった行動や言動を心がけることが大切です。

過去の位置に悪魔の逆位置が出た場合は、過去に変化は起きたけども、そのときに感じた悲しみや怒りなど”負の感情”は心に残ったままであることを意味します。意識はしていなくても、無意識に感じている負の感情は、今もなおあなたの行動に影響を及ぼしているかもしれません。時間が解決してくれるのを待つなど、少しずつ心を癒やしていきましょう。

リーディング例

愛に関して占った場合
悪魔の逆位置は、冷却期間を経て気持ちの整理をつけることや、腐れ縁や場当たり的な関係に終止符を打てることを暗示します。あるいは、あなたの価値が低下していることで、自尊心が損なわれる可能性があることも示唆しています。このカードは、共依存、操作、妄想、詐欺を表しますが、そのことに気づくことができればいい方向へ向かうことを示します。このカードが逆位置ででた時というのは、優柔不断で結論を先延ばしにしがちになります。そのことから目をそらさずに、きちんと対峙することができれば運気は徐々に好転していきます。他にも、気持ちに踏ん切りがつくような出来事の訪れを表します。
勉強や仕事に関して占った場合
悪魔の逆位置は、低迷していた状況からの解放の目処がたつこと、自分の実力が思うように発揮できなかったスランプ期から脱却できる見通しがつくことを暗示します。後少しで道は開けそうなので粘る価値はありそうです。今まで上手くいかなかったことに一筋の光が見えてくるでしょう。もしくは、あなたが自ら賃金奴隷になり、自分自身を戒めていることを示す場合もあります。最悪の状態が当たり前になってしまって、自由になることを恐れていないでしょうか。 このカードは、自己破壊的な思考によって、一生懸命働いて健康を害したり、雇用主があなたを利用しやすい状況を自ら生み出していることへの警告も表しています。 腐敗した組織のために、または倫理観に外れた方法で働くことも示唆することがあります。
お金に関することで占った場合
悪魔の逆位置は、今までうまくいかなかった経済面にも回復の糸口が見つかりそうなことを表します。誠実さを心がけていれば、失った信頼も少しずつ回復できそうです。時間はかかっても、諦めないことで収入も少しずつ上がっていきます。一方、貪欲さがあなたを非倫理的な慣行、または他の人々の費用で利益をもたらす可能性があることも示唆します。「お金への執着はあらゆる悪の根源です」という言葉を思い出してください。また、このカードは、借金やお金への欲望のために、誰かがあなたを利用している可能性を表すこともあります。

カードを読み解くポイント

悪魔は、自分の中に潜んでいる「影」の感情を暗示します。抑圧していた感情やコンプレックス、野望や野心、増悪や嫉妬などが無意識から顔をのぞかせ、表面化してくることを表します。今まで蓋をしてきた負の感情が出てくることで唐突さを感じてしまい、自分のせいではないと思いがちです。他人のせいではなく自分が生み出した感情であることを認識できるかによって、その後の状況の悪化を最小限にできるかが決まります。

また、抑圧しすぎたせいでふとした瞬間に爆発してしまい、制御不能になってしまうことへの警告でこのカードが現れることもあります。自分を律する心は大事ですが、過度な抑圧は体に毒です。自分の中にある欲望は小出しにしてガス抜きをしないと大変な事態を招いてしまいます。いかに自分の負の感情をコントロールして、うまく解放してあげられるかが鍵となります。自分をごまかそうとすればするほど、空回りして状況が悪化することになりますので、自分の「影」の存在を受け入れることから始めましょう。

自分の「影」の感情をコントロールできれば、娯楽もほどほどに楽しめて人生のスパイスにできます。欲望をうまく利用すれば、倫理観にそった範囲内で快楽も得ることができるでしょう。負の感情は、人生において強力なエネルギー源となるので、”生きる活力”でもあります。負の感情を持つことは悪いことではないので、露呈した時は素直に受け入れましょう。うまく活用できれば、人生を力強く生き抜くための道具にもなるのです。

カードの意味を更に深く考察

15番目に位置する悪魔は、還元するとの「1+5=6」となります。この2つのカードは絵柄の構図もしているし、関連性の強さは誰にでも感じることができるでしょう。それなのに、のカードは大アルカナの序盤に登場しているのに対して、なぜ15.悪魔は終盤グループに位置しているのでしょうか。

悪魔は、宇宙レベルの入り口のカードです。宇宙レベルは、いわば大アルカナの最終章・クライマックスです。この宇宙レベルを通過していくためには、これまで以上に莫大なエネルギーが必要となります。その位置に悪魔が配置されたことは、悪魔に莫大ななエネルギーが内包されていることを意味します。どんな映画やストーリーにおいても、最終章の入り口といえる場面では、邪悪な登場人物の悪事や陰謀により、終盤にかけて盛り上がりを見せます。ハッピーエンドを迎えるためには、悪魔の世界を通過することが第一条件なのです。

悪魔のカードナンバー”15”には”5”が含まれていることから、5.法王(司祭・教皇)との関連性も示唆します。5.法王(司祭・教皇)は五本ある指の内、二本指だけを立てて天を指し、もう片方の手の二本指は地上を指しています。この二本指は、宇宙には目に見えないものがあり、目に見えることはほんの一部であることを表しています。それに対して、悪魔のカードでは、手の指は五本の指全てを開いていています。これは、「目に見えるものしか信じない」「目に見えないものは存在しないんだ」という傲慢な自我、強引な意思表示の表れです。

悪魔の額にあるペンタクルとのマークは、通常の向きの逆さになっています。このペンタクルのマークを”人間が手を広げて立っている姿”に見立てる場合、悪魔のカードでは頭が下で下半身が上になっていることになります。これは、性的な欲望(下半身)が理性や道徳的な思考(頭)を上回ることを意味しているのです。小アルカナのペンタクルトのスートにおいてこのマークが逆位置になる場合は、悪魔と同様のことが言えて、抑制されない欲望が判断力を上回っていることを表すのです。

ウェイト版の絵柄から読み解く

悪魔は石のブロックに立っていますが、この立方体は4.皇帝の石の椅子に似ています。しかし、悪魔の石の立方体は4.皇帝のように完成されたものではなく中途半端な形です。これは、悪魔の物質的欲求や執着は、社会において不完全なものから成り立っていることを示します。

ふたりの男女の表情を見てみると、特に不快感を示したり、顔を歪めたりもしていません。これは、最悪の状況に慣れてしまい「これが普通なんだ」と受け入れてしまっていることの現れです。

悪魔の片方の手が天を指差し、もう片方の手を下におろしている様子は1.魔術師のポーズに似ています。1.魔術師は霊的な力を地上に引き下ろそうとして天に掲げた手でワンドを握っていました。それに対して、悪魔が地上を指している手に松明(たいまつ)を持っています。これは、物質的なことが霊的なことを上回るという強い信念を意味します。

悪魔の額にあるペンタクルとのマークは、逆を向いています。これは物質的な欲求が倫理観念を上回ることを意味します。悪魔が持つ松明(たいまつ)が男性の方のしっぽに火をつけていますが、莫大な性的欲求のエネルギーが高まっていることを示します。

真っ黒な背景は黒魔術や抑鬱敵な状態を象徴します。

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